英語がペラペラになれば、人とスラスラ会話ができると思っている幻想

What sport do you like?

What is your hobby?

このような英語は、英会話の初級クラスで必ず挙がります。グループレッスンでは、ペアやグループでこれにまつわる会話練習をしてもらいます。この質問に関しても、なかなか答えを英語で言えない人や、このレベルの受け答えは出来るなど、初級でも生徒さんのレベルは様々です。

しかし、ある程度何回か会話練習をしてもらうと、生徒さんが物足りなさそうにしているのが分かります。

次の新しい英語教えてよ、と心の声が聞こえる気がします。

ロンドンに行くと決めたときから向き合ってきたテーマが、「コミュニケーションって一体何だろう?」でした。ずっと答えが見つからず、モヤモヤとしていたのですが、この答えを最近やっと見つけることができました。

コミュニケーションとは、相手のことを知りたいと思い、そのために相手の情報を引き出し、共感したり理解しようとしたり、分かり合えなくても受け止めること。

そのためには、まず根本となる「What sport do you like?」や「What is your hobby?」これこそが真に大切な英会話なのではないかと思うのです。

簡単な英語だからレッスンでは嫌がられるテーマですが、この質問の答えは一言では終わりません。

日本人は試験での英語しか勉強していないことが多く、会話とは全く切り離されて考えがちです。

「What sport do you like?」の答えは、「I like soccer.」かもしれませんが、実際の会話ではそんな一言では終わりません。むしろサッカーが好きだと答えてからが始まりです。

何でサッカーが好きなの?

いつから好きなの?

どこのチームが好きなの?

サッカーやってるの?

それとも観るのが好きなの?

日本のサッカー?

それとも海外?

好きな選手は?

など、思いついただけでもこんなにあります。

これが人とコミュニケーションを取るということではないでしょうか?

もちろんこれらを説明するには、たくさんの英語が必要かもしれません。

でも、目の前の相手を知るための質問、「What sport do you like?」これを蔑ろにする人は、コミュニケーションの根本を間違っているような気がします。

お喋り好きな私なので、親友とはいつも答えのないたわいない話から社会問題まで、様々な話題で軽く一日は話せる自信があります。仲が良かった台湾人の同僚とも、仕事中に何時間も話していたことを思い出します。

英語を習うのではなく、目の前の誰かのことを知りたい、その気持ちが芽生えたらきっと、英語でコミュニケーションを取ることはスムーズになると思います。だからきっと、外国人に恋をするのが良いと言われるのでしょう。恋した相手のことは誰だって知りたくなりますもんね。

ベネズエラ人の友達は、あまり英語が堪能ではありません。でも彼女と過ごした二年間があるので、英単語がおかしくても、文法が間違っていても彼女の言いたいことは分かります。

お姉さん的な存在なので、日本で落ち込んだことがあると連絡します。私の悩みをいつも真剣に考えてくれて、素敵なアドバイスをくれます。他の人が急に私たちのメッセージでのやり取りを見ても、きっとわからないと思います。それほど彼女の英語は拙い時があります。でもお互いのことを理解しているから、びっくりするほど確かに伝わるんですよね。

こういう時、英単語の数でもないし、文法の正しさではないなと思います。英語がペラペラになったからと言って、コミュニケーション力が上がり、人とスラスラ会話ができるわけではありません。ぜひ英語だけに縛られず、目の前にいる人を知っていってほしいと思います。