日本語力を鍛えるもう一つの理由

「日本人は母国語で思考が出来る」

日本人は中学校から英語を学んでいることもあり、どの世代も最低三年間は義務教育で英語を学んでいます。どれほどまじめに取り組んだかどうかは別として、「Aって何?」と本気で言っている人は皆無でしょう。それほどまでに多くの方がすでに最低限の英語を知っているわけです。私も経験したのですが、英語を使ってコミュニケーションを取るのにある程度のレベルに達すると、会話をすることが出来ない状態に陥ります。英語を話せるのにも関わらず、です。

イギリスに行ってすぐは、自分の英語力があまりに乏しかったために、自分の思いや要望を相手に伝えることが出来ませんでした。もちろん同じくらいリスニングスキルも乏しかったため、相手が何を言っているか分かりませんでした。これは、単に私の英語レベルの問題です。現在、このレベルで悩んでいる人は、一つでも多くの英単語を覚えて、一つでも多くの英単語を聞き取れるようになりましょう、としかアドバイスはありません。やはり最低限、中学3年間で学ぶ英語は必要です。

その次に、このレベルを超えた場合ですが、またもや自分の意見を相手に伝えられない困難にぶち当たります。ここが一番苦労する点です。なかなか乗り越えられていない人が多いのが現状だと思います。そしてこの原因を取り除くために「日本語力を鍛える」ことが必要です。

ある程度のレベルになってくると、相手の言っていることも分かり、自分の気持ちもある程度伝えられるようになってきます。これは個人の努力や英語に対する慣れによって、自然とこのレベルまでは達することが出来ます。では、なぜ相手と会話が出来ない状況に陥ってしまうのでしょうか。

それは、日本語ですら自分の意見がないからです。

日本人は自分が主張するよりも、相手の意見を重んじる文化です。学校教育においても、静かに先生の話を聞くことはできますが、自分の意見を発表する場はほとんどないと思います。そのため、一つの物事に対して、自分の意見がないことが多いのです。これは、もはや英語力の問題ではなく、母国語である日本語力の問題です。いくら「環境破壊」という英単語を知っていたとしても「環境破壊」に対する意見がなければ意味がありません。日本は、相手の意見を聞き入れるという文化がありますが、他の国は自分の意見を主張するという文化が多いです。なので、英語を使ってコミュニケーションをとるのであれば、まずは母国語で意見を持つことが大切になってきます。

特に英語は「Why?」の文化ですから。